接見禁止一部解除請求書
被 疑 者
右の者に対する恐喝未遂、傷害被疑事件について、浦和簡易裁判所裁判官が平成一〇年一〇月一〇日になした接見禁止決定を一部解除するよう請求する。
平成一〇年一〇月一五日
弁 護 人
記
接見禁止の対象から父○○及び母××を除外し、接見禁止を一部解除する
旨の裁判を求める。
原決定は罪証隠滅のおそれを理由に、全面的に接見及び文書の授受を禁止した。しかしながら、以下のとおり、現段階においては身柄拘束に加えて全面的に接見を禁止しなければならない理由は全くない。
被疑者は、平成一〇年八月ころから○○町にある「××」というスナックでホステスをしていた。○△□(二七歳)はこの店の常連客であったが、被疑者に対して一方的に好意を抱くようになった。○△□は九月ころから勤務時間外に被疑者の携帯電話にたびたび連絡するようになり、「店が終わったらあってくれ」などと執拗に誘った。被疑者は自分には□△×という内縁の夫がいることを教え、○△□と親密な交際に発展することはあり得ないことをそれとなく伝えたが、○△□が大切な客のひとりであることから、それ以上強く拒絶することもできずに、誘われるまま深夜にカラオケに行ったりしていた。○△□は毎日のように被疑者を電話で誘い出したり、店が終わる時間を見計らって店を訪れるなどのことをしていた。そのことが原因で、被疑者と□△×が口論となったこともあったのである。
平成一〇年一〇月四日午前二時ころ、仕事を終えて店を出た被疑者を○△□が待ち構えていた。その日(一〇月三日から同四日にかけて)は客が多く、被疑者は飲み過ぎで泥酔状態であった。○△□は、意識朦朧としており、ろれつが回らないような状態の被疑者を無理やり自動車に乗せて、ホテルに連れ込んだ。被疑者はベッドの上で一度我に返り○△□にむかって「お願いだからやめて」と叫んだ。これで○△□は一度止めるそぶりを示したが、結局、被疑者が酩酊状態であることを利用して性交してしまった。
ホテルで朝を迎え事態を悟った被疑者は、内縁の夫○△□に「実家に泊まった」と嘘をついたが、被疑者の安否を気遣った○△□が既に被疑者の実家に連絡した後であり、嘘はすぐにばれてしまい、被疑者は○△□に事実をありのままに話した。
その結果、激昂した○△□は被疑者をつれて○△□宅に赴くことになった。○△□は、仕事仲間に連絡をとって彼らも別の自動車でついてきたが、そのことについて被疑者は関与していないし、まさか、彼らが○△□に対して恐喝行為をするとは考えていなかった。
その後、○△□らが○△□を自動車に乗せて、鷲宮町鷲宮四丁目二番三七号所在の「つな八」に行ったが、同所は、被疑者と○△□斉の住居であり、一〇月一八日に二人はそこで居酒屋を開店することになっていたのである。同所で、○△□らは○△□に暴力を振るったが、被疑者が○△□に暴力を振るった事実はないし、そのことを○△□らと共謀した事実もない。被疑者が○△□に金品を要求したことはもちろんないし、そのことを○△□らと共謀した事実もない。
被疑者は、その場で、○△□に左胸部、腰部、顔面、後頭部等を手拳や足で強打されており、同日夜に××病院で診療を受けている。
○△□から無理やりにセックスされた上、夫に手ひどく暴力を受けた被疑者こそ、本件における最大の被害者なのである。
被疑者は、取調において自己の言い分をはっきりと主張している。被疑者は、公判廷で正々堂々と無実を明らかにする決意でいる。
また、被疑者勾留を利用した取調によって捜査機関にはすでに十分な証拠が収集され終わっている。被疑者側にはいまさら自己に有利な証拠を作出することは不可能である。
重要参考人である共犯者は、被疑者同様身柄拘束中であるか、あるいは被疑者とは本件事件まで全く面識がなかった者ばかりであり、被疑者の両親が共犯者と連絡をとることは不可能である。
さらに、被疑者が弁護人以外の者と接見する場合には、立会人がいるのであるから、接見時に被疑者が両親と罪証隠滅の打合せをすることはありえないし、犯罪とは無関係な一般市民である被疑者の両親がそのような行動に出るとは考えられない。
現状のままでは、弁護人接見の際に、家族との連絡等日常生活上の連絡もしなければならない。弁護人との被疑事実に関する防御活動の打合せを十分に行うためにも日常生活上の連絡については、弁護人と切り離し、家族との直接の接見を許すべきである。
以上