少年非行の予防のための国連ガイドライン(リヤド ガイドライン)
United Nations Guidelines for Prevention of Juveniele
Delinquency (The Riyadh Guidelines )
第8回犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連会議は、国連総会が以下の決議を採択することを勧告する。
少年非行の予防のための国連ガイドライン(リヤド ガイドライン)
国連総会は、
世界人権宣言、経済的 社会的および文化的権利に関する国際規約、市民的および政治的権利に関する国際規約、ならびに国際労働機構が確立した基準を含む青少年の諸権利と福祉に関するその他の国際文書に留意し、
子供の権利宣言、子供の権利条約、ならびに少年司法運営に関する国連最低基準規則にも留意し、
第7回犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連会議が勧告した少年司法運営に関する国連最低基準規則を採択した1985年11月29日の総会決議 40/33を想起し、
国連総会が、1985年11月29日の総会決議 40/35において、加盟国が援助とケアならびに地域社会の参加を強調した特別のプログラムと政策を作定し、それを実施するのを援助すべき少年非行の予防のため基準を開発することを要請し、さらに、これらの基準の作成に関する進展状況を検討し行動をとるために、経済社会理事会が第8回犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連会議に報告することを求めたことをも想起し、
経済社会理事会が1986年5月21日の決議1986/10において、第8回会議に対し、少年の非行予防のための基準草案を採択するため審議することを要請したことを想起し、
少年非行の予防のための国内的 地域的 国際的アプローチと戦略を開発する必要があることを認識し、
すべての子供が基本的人権、とりわけ無償教育へのアクセスを有することを認識し、
多数の青少年たちが法に違反したか否かにかかわらず、遺棄され、放任され、虐待され、薬物の濫用にされされるという限界的な状況にあり、総じて社会的な危険に直面していることに注意し、
非行予防および地域社会の福祉のための先進的政策が有益であることを考慮にいれて、
- 少年非行の予防のためのこのガイドラインを作成するにあたって、犯罪予防規制委員会および事務総長によって達成された実質的作業を満足をもって明記し、
- 1988年2月28日から3月1日まで在ウィーン国連事務局の協力のもとでリヤドで開催された、少年非行の予防のための国連ガイドラインの起草に関する国際専門家会議をホストしたアラブ安全保障研究および研修センター(リヤド)の貴重な協力に対して感謝の意を表明し、
- 本決議の付属書にあるリヤドガイドラインと名付られた、少年非行の予防のための国連ガイドラインを採択し、
- 加盟国が、その包括的な犯罪防止計画のなかで、本ガイドラインを国内法、政策および実務に適用し、また本ガイドラインを政策立案者、少年司法関係者、教育者、マスメディア、実務家および学者等の専門家に留意させるよう要請し、
- 事務総長に対し、国連の全公式言語で書かれた本ガイドラインの正文をできるかぎり広範囲に確実に普及させるよう要請し、加盟各国に対してもこれを奨励し、
- さらに、事務総長に対し、本ガイドラインの適用を促進すべく協力するよう要請し、また国連児童基金をはじめとする関係国連事務局および関係機関、ならびに個人専門家に対してもこれを奨励し、
- さらに、事務総長に対し、包括的な政策の開発および第9回犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連会議への報告を念頭において、各種の社会的危険や子供の犯罪手段としての利用の問題を含む子供の搾取について一層研究を深めることを要請し、
- 事務総長に対し、少年司法運営に関する国連最低基準規則(北京ルール)、少年非行の予防に関する国連ガイドライン(リヤドガイドライン)および自由を奪われた少年の保護のための国連規則を含む少年司法の基準についての手引書ならびにそれぞれの条項についての十分な解説を発行するよう要請し、
- 国連機構の中のあらゆる組織に対し、本決議の実施を確保するための適切な措置を講じるうえにおいて事務総長と協力することを求め、
- 人権委員会内の差別防止および少数者保護小委員会に対し、各条項の適用の促進を念頭においてこの新しい国際文書を検討することを奨励し、
- 加盟国が、技術的あるいは学問的な問題に関するワークショップや本ガイドラインの諸条項の適用ならびに青少年の特別のニーズ 問題関心に応えるべく考案された地域社会に根ざしたサーヴィスのための具体的な方策を確立することに関連する実務上、政策上の諸問題についての試験的あるいは実演的な催しを実施することを強力に支援することを奨励し、事務総長がこれらの試みに協力することを要請し、
- さらに、加盟国が、本ガイドラインの実施状況について事務総長に通知し、その成果を犯罪予防規制委員会に定期的に報告することを奨励し、
- 犯罪予防規制委員会および第9回犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連会議 が、リヤドガイドラインおよび本決議に含まれる勧告の普及と適用について達成された進歩を少年司法に関する個々の項目ごとに検討し、検討を継続的に続けることを勧告する。
付属書
少年非行の予防のための国連ガイドライン
(リヤド ガイドライン)
1. 基本原則
- 少年非行の予防は、社会における犯罪予防にとって必要不可欠な部分である。 合法的で社会的にも有益な行動を行い、社会に対するヒューマニスティックな態度やヒューマニスティックな人生観を受け入れることによって、青少年は非犯罪的な態度を発達させることができる。
- 少年非行の予防が成功するためには、幼児期から人格の尊重とその向上を念頭におき、調和のとれた成年期の発達を確保する努力を社会全体が行う必要がある。
- このガイドラインの解釈にあたっては、子供中心の態度が追求されなければならない。青少年は、社会において積極的な役割とパートナーシップを認められなければならず、単に社会化と統制の目的物とみなされてはならない。
- このガイドラインの実施にあたって、あらゆる非行予防計画は、国内法のシステムに従い、幼児期からの青少年の福祉に焦点を当てなければならない。
- 進歩的な非行予防政策および非行対策の体系的な研究とその案出の必要性および重要性が認識されなければならない。これらは、子供の発達に深刻な害悪を及ぼさず、他人を傷つけない行動のために子供を犯罪者としあるいは刑罰を科することを避けるものでなければならない。そのような政策や対策は、以下のようなものを含まなければならない。
- 全ての青少年の、とりわけ危険にさらされまたは社会的な危険に直面している青少年あるいは特別のケアと保護の必要な青少年の、さまざまなニーズに応え、かつ、その発達を保障する援助の枠組みとして機能する機会の提供、とりわけ教育の機会の提供
- 違反行為を犯す動機、必要、機会あるいは条件を減少することを目指した、法律、手続、組織およびサービス提供ネットワーク(service
delivery net- work) に基づく、非行予防のための専門的な理念ならびにアプローチ
- 青少年の総合的な利益を第一に追求し、かつ、公正で平等な公的な介入
- 全ての青少年の福祉、発達、権利ならびに利益の保障
- 社会の標準や価値に全面的には適合しない青少年の行動というものは、しばしば成熟と成長の過程の一場面であり、大人になるにしたがって自然と消失するものであるという考慮
- 専門家の支配的な意見において、青少年を「逸脱者」、「非行少年」あるいは「類非行少年(pre-delinquent)」と烙印することは、かえって、青少年の好ましくない行動を持続させると言われていることの認識
- 少年非行の予防のために、機関がまだ設立されていないときには特に、地域社会に根ざしたサーヴィスとプログラムが開発されなければならない。社会統制のための公式の機関は、最後の手段としてのみ利用されなければならない。
2. ガイドラインの適用範囲
- このガイドラインは、世界人権宣言、経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約、市民的および政治的権利に関する国際規約、子供の権利宣言ならびに子供の権利条約による広範な枠組みのなかで、そして、少年司法運営に関する国連
最低基準規則やその他のすべての子供と青少年の権利、利益および福祉に関する文書や基準の文脈のなかで解釈され、実施されなければならない。
- このガイドラインは、また、それぞれの加盟国において優勢な経済的、社会的および文化的諸条件に即して実施されなければならない。
3. 予防一般
- 政府の各レベルにおいて包括的な非行予防計画が制定されなければならず、それは以下のものを包含しなければならない。
- 問題点の掘り下げた分析と利用可能なプログラム、サーヴィス、施設および資源の目録
- 予防活動に関与する資格のある機関、施設および職員の明確に定められた責務
- 政府機関と非政府機関との予防活動における適切な共同のためのメカニズ ム
- 実施中に継続的に追跡調査され、かつ、注意深く評価されうる予測研究に基づいた政策、プログラムおよび戦略
- 非行を犯す機会を効果的に減少させるための方策
- 広範なサーヴィスとプログラムによる地域社会の関与
- 少年非行と青少年犯罪を予防するための共同作業を推進するためになされる、民間組織、地域社会の市民代表、ならびに、労働、児童福祉、保健教育、社会
福祉、法執行および司法の各機関の関与のもとで行われる、国家、州、地域その他の地方政府の間の緊密な相互協力
- 地域社会の資源の利用、青年の自助組織(youth self-help) ならびに被害者への保障や被害者援助プログラムを含む非行予防政策や手続への青少年の参加
- 全てのレベルにおける専門の職員
4. 社会化の過程
- 全ての子供や青少年の社会化と統合、とりわけ家族、地域社会、同輩グループ、学校、職業訓練や職場、さらに任意組織(voluntary
organization)を通じての社会化と統合が成功することを促進すべき非行予防政策に重点が置かれなければならない。子供や青少年の人格の適切な発達に十分な留意がなされなければならなず、彼らは社会化と統合の過程において、完全かつ対等のパートナーとして受け入れられなければならない。
A 家族
- いかなる社会も家族とそのメンバーのニーズと福祉に高度の優先順位をおかなければならない。
- 家族は、子供が社会化の第1歩を踏みだすうえにおいて責任を負う中心的な単位であるから、拡張家族(extended fmily)を含む家族の尊厳を保持するために政府や社会の努力がなされなければならない。社会は、ケアと保護の提供ならびに子供
の身体的および精神的な福祉の確保について、家族を援助する責任を負う。デイケアをはじめとする十分な措置が考案されなければならない。
- 政府は、安定し落ち着きのある家庭環境のもとで子供が成育されるように導く政策を確立しなければならない。不安定や葛藤の解消のために援助を必要としている家族のためには必要なサーヴィスが提供されなければならない。
- 安定し落ち着きのある家庭環境がなく、この点について親を援助しようとする地域社会の努力も失敗し、かつ、拡張家族もこの役割をはたせないときは、里親や養子縁組などの代替的な環境が考慮されるべきである。このような代替的環境は、
安定し落ち着きのある家庭環境にできるかぎり類似したものであり、それと同時に、子供にとって永続性の感じられるものでなければならず、したがって、「里親漂流(foster
drift)」といわれるような事態を避けなければならない。
- 急速で不均衡な社会的、文化的変動によってもたらされた諸問題の影響を被っている家庭の子供、とりわけ先住民、移民や難民の家庭における子供に対して、特
別の注意が向けられなければならない。そのような変動によって、しばしば、役割葛藤や文化的葛藤の結果として、家族が伝統的な子供の養育方法を維持する社会的能力を破壊された場合には、革新的で社会的に建設的な子供の社会化の方法が考えられなければならない。
- 好ましい親子関係を促進し、子供や青少年の問題についての親の理解を深め、 家族や地域に根差した活動への彼らの参加を助けるために、子供の発達とケアについての親の役割と責務を学ぶ機会を家族に提供するための方策がとられ、また、そのようなプログラムが開発されるべきである。
- 政府は、家族の結束と調和を促進する方策を取らなければならず、子供の福祉と将来に影響する周囲の状況から見て他の手段が考えられない場合を除いて、子供をその親から引き離すことは避けなければなければならない。
- 家族や拡張家族の社会化の機能を強調することが重要である。それと同時に、 青少年の社会における将来の役割、責任、参加やパートナーシップを理解することも重要である。
- 子供の適切に社会化する権利を保障するため、政府その他の機関は現存する社会的およびに法的機関に拠るべきであるが、伝統的な組織や方法が効力を失ったときにはいつでも革新的な方策をも提供し、かつ、受けいれるべきである。
B 教育
- 政府は、全ての青少年に公教育を受ける機会を与える義務を負う。
- 教育制度は、その学術的活動および職業訓練の他に、以下の事項についても特 別の注意を払わなければならない。
- 基本的な価値を教えること、ならびに、子供自身の文化的アイデンティ ティと文化様式、子供が居住する国の社会的価値、子供自身のものと異なる文明、
および人権と基本的自由、に対する尊敬の念を開発すること。
- 青少年の個性、才能ならびに精神的 肉体的能力をできる限り促進し、発達させること。
- 単なる対象物としてではなく、積極的かつ有効な参加者として青少年を教育過程に参加させること。
- 学校および地域社会に同化し所属しているという意識を育てるような諸活動を行うこと。
- 文化的な相違やその他の相違など、異なる立場や意見を青少年が理解し尊重することを助長すること。
- 職業訓練、雇用の機会や職能開発に関する情報とガイダンスの提供。
- 青少年を情緒的にも積極的に支え、心理的な虐待を避けること。
- 苛酷な懲戒手段、とくに体罰を避けること。
- 教育制度は、親、地域社会の組織ならびに青少年の諸活動に関係する機関と共同で作業をするように努めなければならない。
- 青少年およびその家族は、国連の諸文書を含む普遍的な価値体系、ならびに、 法および法の下での権利と責任を知らされなければならない。
- 教育制度は、社会的な危険にさらされている青少年のために特別のケアを与え、注意を払わなければならない。そのための特別の予防プログラム、教材、カリキュラム、アプローチおよび手段が開発され、十分活用されなければならない。
- 青少年によるアルコールや薬物などの濫用を予防するための包括的な政策と戦略について、特別の注意が払われなければならない。教師その他の専門家は、この問題を予防し、取り扱うための素養を身に付け、かつ訓練を受けなければならない。アルコールを含む薬物の使用と濫用に関する情報は、学生組織にも利用可能とされていなければならない。
- 学校は、青少年、とりわけ特別の救済を必要とし、あるいは虐待され、放任され、被害を受け、搾取されている青少年に、医療、カウンセリングその他のサーヴィスを提供する資源および照会センター(referral
centre) としての活動をしなければならない。
- さまざまな教育プログラムを通じて、教師その他の大人および学生組織は、青少年、とりわけ、恵まれず、不利な立場におかれている、民族的その他のマイノリ
ティおよび低所得層に属する青少年の問題、ニーズおよび物の見方について敏感にならなければならない。
- 学校制度は、カリキュラム、指導 学習の方法とアプローチならびに資格のある教員の採用と訓練に関して、最高の職業的および教育的水準を満たし、かつ、こ
れを推進する努力をしなければならない。適切な職業組織および機関による、職務の遂行状況についての定期的な観察と評価が確実に行われなければならない。
- 学校制度は、地域社会のグループと協力して、青少年のための課外活動を計画 し、開発し、実施しなければならない。
- 必要な出席日数を満たすことが困難な子供や青少年および「ドロップ・アウト」に対しては、特別の援助が与えられなければならない。
- 学校は、公正な方針や規則を定めるようにしなければならない。懲戒規則を含む学則(school policy)の制定や決定手続においては、生徒の代表が存在しなけれ
ばならない。
C 地域社会
- 青少年の特別のニーズ、問題、利益および関心に応え、青少年とその家族に適切なカウンセリングとガイダンスを提供する、地域社会に根差したサーヴィスとプログラムが開発され、あるいはすでに存在するところではそれが強化されなければ
ならない。
- 地域開発センター、レクリエーション施設および社会的な危険にさらされている子供の特別の問題に対処するための各種サービスを含む、青少年のための広範囲の、地域社会に根差した支援措置(community-based
support measures)が提供され、すでに存在するところではそれが強化されなければならない。これらの援助措置を提供するに際しては、個人の権利が確実に尊重されなければならない。
- 家で生活することができず、あるいは住む家のない青少年のために十分な避難場所を提供するために特別の施設が設立されなければならない。
- 大人への成長過程において青少年が経験する困難に対処するために、一定範囲のサーヴィスと援助手段が用意されなければならない。このようなサーヴィスは、
若い薬物濫用者のためのケア、カウンセリング、援助ならびに治療本位の介入に重点をおいた特別のプログラムを含むものでなければならない。
- 青少年のためにサーヴィスを提供する任意組織に対しては、政府その他の機関から財政的援助その他の援助が与えられなければならない。
- 地域レベルにおいて青少年組織が作られ、あるいは強化され、かつ、これらの組織に対しては地域の諸事項の運営に関する十分な参加資格が与えられなければな
らない。これらの組織は、青少年に対して、集団による任意のプロジェクト、とりわけ援助を要する青少年を助けることを目的としたプロジェクトを組織することを奨励しなければならない。
- 政府機関は、家のない子供やストリート・チルドレンのために特別の責任を負い、彼らのために必要なサーヴィスを提供しなければならない。地域の施設、宿泊
所、雇用ならびにその他の形態と資源による援助に関する情報が青少年のためにあらかじめ用意されていなければならない。
- 青少年の特殊な関心を満足するための広範囲にわたるレクリエーション施設およびサーヴィスが確立され、彼らが容易に利用できるようにしなければならない。
D マス・メディア
- マス・メディアは、青少年が多様な国内的および国際的なソースからの情報と資料にアクセスすることを保障することを奨励されなければならない。
- マス・メディアは、青少年の社会への積極的な貢献を描くことを奨励されなければならない。
- マス・メディアは、社会における青少年のためのサーヴィス、施設および機会の存在に関する情報を普及することを奨励されなければならない。
- マス・メディア一般、とりわけテレビとフィルム・メディアは、ポルノグラフィ、薬物および暴力が描かれる頻度を最小限にし、暴力と搾取を好ましくないも
のとして表現し、同時に、品位を辱めるような演出、とりわけ子供、婦人および対人関係に関するそのような演出を避け、平等の原則と役割を助長することを奨励されなければならない。
- マス・メディアは、薬物とアルコールの濫用に関する情報の伝達について、広 範な社会的役割と責任、ならびに影響力を有していることを自覚しなければならない。マス・メディアは、バランスのとれた仕方で一貫したメッセージを送り続けることによって、その力を薬物濫用の予防のために利用すべきである。すべてのレベ
ルにおける薬物に関する知識の効果的な普及キャンペーンが奨励されなければならない。
5. 社会政策
- 政府機関は、青少年のための計画とプログラムに対して高度の優先順位をおかなければならず、薬物およびアルコール濫用の予防と治療を含む、十分な医療および精神衛生上のケア、栄養、住居その他の関連するサーヴィス、施設およびスタッ
フの効果的な供給のための十分な基金およびその他の資源を提供し、このような資源が青少年に現実にもたらされ、彼らがそこから恩恵を受けることを確保しなければならない。
- 青少年の施設収容は、最後の手段であり、最も短い必要な期間に限られ、青少年の最善の利益が最も重視されなければならない。この種の公式の介入を認めうる要件は、厳密に定義され以下の場合に限られなければならない。
- 子供や青少年が親や保護者によって惹起された害悪の影響を受けているとき、
- 子供や青少年が、親や保護者によって、性的、肉体的あるい情緒的に虐待を受けているとき、
- 子供や青少年が、親や保護者によって、放任され、遺棄されあるいは搾取されているとき、
- 子供や青少年が、親や保護者の行為によってもたらされた肉体的あるいは道徳的危険による脅威にさらされているとき、
- その子供や青少年に対する深刻な肉体的あるいは心理的危険が、彼あるいは彼女自身の行動の中に明らかに認められ、親、保護者あるいは少年自身によっても、さらに、施設収容以外の非居住の地域サーヴィス(non-residential
community service) によってもその危険に対処することができないとき。
- 政府機関は、青少年にフルタイムの教育を受け続ける機会を提供し、親や保護者が青少年を援助できない場合は国が財政的援助をしなければならず、また、政府機関は青少年に労働の経験をする機会を提供しなければならない。
- 非行予防のプログラムは、信頼のおける科学的な調査による知見に基づいて計画され、開発されなければならず、かつ、定期的に観察、評価され、その結果にしたがって改定されなければならない。
- 青少年の肉体的 心理的な犠牲、危害、虐待ならびに搾取を示しあるいはその 結果と思われる行動や状況の類型についての科学的な情報が、専門家集団および一般公衆に普及されなければならない。
- 一般に、計画やプログラムへの参加は任意とされなければならない。これらの計画やプログラムの策定、開発および実施にあたっては、青少年自身の参加が認められなければならない。
- 政府は、青少年に対してなされあるいは青少年に影響を及ぼす家庭内暴力を予防し、および家庭内暴力の犠牲者の公正な処遇を確保するために、刑事司法制度の内外における政策、措置および戦略を探究し、開発し、実施することに着手し、あるいはこれらを継続しなければならない。
6. 立法および少年司法運営
- 政府は、全ての青少年の権利と福祉を促進し保護するために、特別の法と手続を制定し、執行しなければならない。
- 子供と青少年の犠牲、虐待、搾取ならびに犯罪的行為のためにする子供と青少年の利用を防止すべき法律が制定され、執行されなければなければならない。<>
- いかなる子供や青少年も、家庭、学校その他いかなる施設においても苛酷で屈辱的な矯正あるいは処罰の対象とされてはならない。
- いかなる種類の武器をも子供や青少年が入手する機会を制限し、規制することを目的とする法の制定とその執行が検討されなければならない。
- 青少年に対する烙印、犠牲および犯罪化を避けるため、大人が犯しても罪にならずあるいは処罰されない行為を青少年が犯しても、罪とせず処罰もしないことを確実にするために法律が制定されるべきである。
- 青少年の地位、権利および利益が擁護され、利用可能なサーヴィスへの適切な紹介がなされることを保障する機関として、オンブズマン事務所あるいは類似の独立機関の設立が考慮されなければならない。このオンブズマンその他の機関
は、また、リヤドガイドライン、北京ルール、および自由を奪われた少年の保護のための規則の実施状況を監視するものとする。オンブズマンその他の機関は、
定期的に、これらの文書の実施において達成された進歩および当面する困難についての報告を出版するものとする。子供の弁護のためのサーヴィス(child
advocacy service)もまた設立されなければならない。
- 法執行機関および関連する機関の男女の職員は、青少年の特別のニーズに応えるべく訓練され、かつ、青少年の司法制度からのダイヴァージョンのために各種プログラムおよび委託の可能性を可能な限り最大限に活用することに習熟しなければ
ならない。
- 子供と青少年を薬物と薬物密売人から保護するために、法が制定され厳格に執行されなければならない。
7. 調査研究、政策開発および協調
- 経済、社会、教育および保健の各機関およびサーヴィス、司法制度、青少年、 地域社会および開発の各機関その他関連組織の間の、組織間あるいは組織内を基礎に、これらの組織の相互提携および相互協調を促進するための努力がなされ、かつ、そのための適切な機構が確立されなければならない。
- 青少年犯罪、非行予防および少年司法に関する計画、プログラム、実務および構想を通じて得られた情報、経験および専門的知見の交換が、国内的、地域的およ
び国際的レベルにおいて促進強化されなければならない。
- 実務家、専門家および政策決定者による、青少年犯罪、非行予防および少年司法に関する地域的、国内的および国際的協力がさらに開発され、強化されなければならない。
- 実務的および政策関連の諸問題、とくに研修、試験的および宣伝的プロジェク トに関する諸問題、ならびに、青少年犯罪および少年非行の予防に関する個別的諸
問題についての技術的および科学的協力が、全ての政府、国連機構およびその他の関連機構によって強力に支援されなければならない。
- 青少年犯罪および少年非行の予防のための効果的な方策をめぐる科学的な調査研究を行う際の共同作業が奨励され、かつ、調査研究の成果は広く普及され、検討されなければならない。
- 国連における適切な団体、組織、機関および事務所は、子供、少年司法ならびに青少年犯罪および少年非行の予防に関連するさまざまな問題について、緊密に協
力し、協調しなければならない。
- 本ガイドラインに基づいて、国連事務局は、関係する組織の協力を得て、調査研究の実施、科学的共同作業、取りうる政策の立案および本ガイドラインの実施状況の検討と観察において、積極的な役割を果たし、かつ、非行予防のための効果的な方策に関する信頼できる情報の供給源として奉仕しなければならない。
(訳者 高野隆)
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