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資料集

MIRANDA ASSOCIATION

刑事司法改革の指針となる、内外の判例、国連関係文書等

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自由を奪われた少年の保護のための国連規則

United Nations Rules for the Protection of Juveniles Deprived of their Liberty

国連総会は、

世界人権宣言、市民的および政治的権利に関する国際規約、拷問ならびにその他の残虐、非人道的なあるいは屈辱的な取扱いあるいは処罰を禁ずる条約、子どもの権利条約、ならびに青少年の権利の保護と福祉に関するその他の国際文書に留意し、

第1回犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連会議が採択した非拘禁者の処遇に関する最低基準規則にも留意し、

国連総会が1988年12月9日の決議43/173において承認した、あらゆる形態の拘禁の下にある全ての人々の保護のための諸原則にも留意し、

少年司法運営に関する国連最低基準規則を想起し、

第7回犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連会議が、その決議21において、自由を奪われた少年の保護のための国連規則の制定を検討することを要請したことをも想起し、

経済社会理事会が、1986年5月21日の決議1986/10、第2項において、事務総長に対して規則作成の進捗状況について犯罪予防規制委員会の第10会期に報告することを求め、また、第8回犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連会議に対して提案された規則の採択を検討することを求めたことをもさらに想起し、

全世界において自由を奪われた少年たちがおかれている状況に注意を払い、

自由を奪われた少年は、虐待、犠牲および権利侵害をうける危険性が高いことを認識し、

多くの制度が司法運営の種々の段階において大人と少年を区別せず、また、それゆえに少年が大人と同じ監獄や施設に収容されていることを憂慮して、

  1. 少年の施設収容が常に最後の手段であり、最も短い必要な期間に限って用いられなければならないことを確認し、
  2. 自由を奪われた少年は非常に傷つき易いので彼らに対する特別の注意と保護が必要であること、ならびに、彼らが自由を奪われている間およびその後において彼らの権利と福祉が保障されなければならないことを了解し、
  3. 国連事務局による貴重な作業、ならびに、国連事務局と専門家、実務家、政府間組織、非政府諸団体とりわけアムネスティインターナショナル、ディフェンス・フォー・チルドレン・インターナショナルとレダ・バーレン(スウェーデン 児童救済運動)および子供の権利と少年司法に関係する科学研究諸機関との間でなされた本規則の立案作業における協力関係を、感謝をこめてここに記し、
  4. 本決議添付の付属書に記載された自由を奪われた少年の保護のための国連規則を採択し、
  5. 犯罪予防・規制委員会に対し、犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連機関の援助のもとで本規則の効果的な実施のための措置を策定することを要請し、
  6. 加盟国に対し、必要な場合にはいつでも、国内の法律、政策および実務、とりわけ少年司法にかかわるあらゆる種類の職員の教育に関するそれを、本規則の精神に適合させ、ならびに本規則が関係当局および一般公衆の注意を惹くようにすることを奨励し、
  7. 加盟国に対し、法、政策及び実務への本規則の適用のためにおこなった試みについて事務総長に通知し、本規則の実施に関して達成された成果を犯罪予防規制委員会に定期的に報告することをも奨励し、
  8. 事務総長に対し、国連の全ての公式言語による本規則の正文をできるかぎり広範囲に普及すること確保することを要請し、加盟国にもこれを奨励し、
  9. 事務総長に対し、深刻かつ取扱困難な若年犯罪者を類型別に取り扱うために、比較調査を行い、必要な協力関係を追及し、その戦略を考案すること、ならびにこの問題についての政策本位の報告(policy-oriented report)を第9回犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連会議に提出する準備をすることを要請し、
  10. 本規則の満足すべき適用と実施、とりわけ全ての範疇の少年司法職員の採 用、研修および交替に関するそれを確保するために、必要な資源を配分することを事務総長に要請し、かつ加盟国にもこれを要求し、
  11. 国連の機構における全ての関係諸団体、とりわけ国連児童基金、地域委員会および専門機関、犯罪予防と犯罪者処遇に関する国連組織、ならびに関連する全ての政府間組織および非政府組織に対して、本規則の適用を促進するためにそれぞれの技術的能力の及ぶ分野における協調的で継続的な努力を確保するために、事務総長と協力し、必要な措置を採ることを要求し、
  12. 人権委員会内の差別防止および小数者保護に関する小委員会に対し、この新しい国際文書を、その諸条項の適用を促進することを念頭において検討することを奨励し、
  13. 第9回会議に対し、その少年司法に関する議題の下で、本規則の促進と適用および本決議に含まれた勧告に関して達成された進歩を再検討することを要請する。

付属書
自由を奪われた少年の保護のための国連規則

    1. 基本的な視点

  1. 少年司法制度は、少年の権利と安全を支え、少年の身体的および精神的な福祉を促進するものでなければならない。少年の拘禁は最後の手段として用いられなければならない。
  2. 少年は、本規則および少年司法運営に関する国連最低基準規則に定められた諸原則と手続に従う場合にのみ、その自由を奪われ得る。少年の自由のはく奪は、最後の手段として必要な最も短い期間に限られ、かつ例外的な場合に限られ、かつ例外的な場合に限られなければならない。制裁(sanction) の長さは、司法官憲によって決定され、早期釈放の可能性を除外してはならない。
  3. 本規則は、人権と基本的自由の観念に矛盾しないように、全ての種類の拘禁による有害な影響を減少させ、社会への統合を促進しようとの配慮のもとで、全ての形態において自由を奪われた少年の保護のために国連が採用する最低基準を確立することを意図するものである。
  4. 本規則は、人種、肌の色、性別、年齢、言語、宗教、国籍、政治的その他の意見、文化的信条や慣習、財産、出生や家族的身分、民族的あるいは社会的出身、ならびに障害に関するいかなる種類の差別もなしに、公平に適用されなければならない。
  5. 本規則は、少年司法の運営にかかわる専門職に対する便利な参照基準として奉仕し、また彼らに対して励ましとガイダンスを提供することを意図して作成されたものである。
  6. 本規則は、少年司法職員が彼らの国語で容易にこれを利用できるようにされなければならない。拘禁施設の職員の言語を十分に理解できない少年は、必要なときには何時でも、とりわけ医学的検査および懲戒手続の際には、無料で通訳のサーヴィスを受ける権利を与えられなければならない。
  7. 適切な場合には、加盟国は、本規則をその国内法に吸収しあるいは国内法を本規則に従うように改定しなければならず、少年が損害をこうむった場合の補償を含む、規則違反に対する効果的な救済措置をも設けなければならない。加盟国は、また、本規則の適用状況を監視しなければならない。
  8. 権限のある機関は、拘禁された少年のケアと彼らの社会復帰の準備とがきわめて重要な社会的サーヴィスであることについて公衆の理解を高める努力を継続して行わなければならず、この目的を達するために、少年と地域社会との間の開かれた接触を促進すべく積極的な措置が採られなければならない。
  9. 本規則中のいかなる部分も、国際社会において認知され、少年、子供および全ての青少年の権利、ケアおよび保護により多くの寄与をする、国連および人権関係の諸文書および諸基準の適用を排除するものとして解釈されてはならない。
  10. 本規則の第U部ないし第X部に含まれる規定を実際に適用することが第T部の規定と抵触する事態をまねく場合は、後者に適合することが優先的な要請であると見做されなければならない。
  11. 2. 規則の適用範囲

  12. 本規則においては、以下の用語例が適用される。
    • 少年とは18歳未満の全ての人である。子供の自由を奪うことの許されない年齢制限は法律によって決定されなければならない。
    • 自由のはく奪とは、司法的、行政的その他の公的機関の命令による、あらゆる形態による拘禁、収容あるいは自らの意思で立ち去ることの許されない公的あるいは私的な身柄拘束環境(custodial setting) への人の配置を意味する。
  13. 自由のはく奪は、少年の人権に対する尊重を確保する条件と環境のもとで実施されなければならない。施設に収容された少年は、彼らの健康と自尊心を促進しこれを保持し、彼らの責任感を助長し、かつ社会の一員としての能力を開発するうえにおいて役立つ態度と技能を奨励すべく機能する、意味のある活動とプログラムによる利益を受けられることが保障されなければならない。
  14. 自由を奪われた少年は、その地位に関連するいかなる理由によっても、社会保障の権利と利益、結社の自由および法に定められた最低年齢に達したときは結婚する権利などのような、国内法あるいは国際法によって認められ、かつ自由はく奪と両立しうる市民的、経済的、政治的、社会的あるいは文化的権利を拒否されてはならない。
  15. 少年の個人的権利、とりわけ拘禁措置の執行の合法性に関する少年の権利の保護が権限のある機関によって確保されなければならず、それと同時に、少年を訪問する資格がありかつ拘禁施設には所属していない適切に組織された団体が国際基準、国内法および規則に従って実施する定期検査を実施することその他の規制手段によって、社会への統合(social integration)の目的が確保されなければならない。
  16. 本規則は少年の自由をはく奪している全ての種類と形態による拘禁施に適用される。本規則の第T、第U、第Wおよび第X部は少年が収容されている全ての施設および収容施設的環境(institutional setting) に適用され、第V部は逮捕されたあるいは審判前の(awaiting trial)少年に対して特別に適用される。
  17. 本規則は、それぞれの加盟国に普及している経済的、社会的および文化的条件のもとで実施されなければならない。
  18. 3. 逮捕された、あるいは審判前の少年

  19. 逮捕されあるいは審判前の拘禁をされている(「未決の(“untried") 」の少年は、無罪と推定されかつそのように取り扱われなければならない。審判前の拘禁はできる限り避けられなければならず、例外的な場合に限られなければならない。したがって、それ以外の手段を採用するためにあらゆる努力がなされなければならない。それにもかかわらず、予防的な拘禁が用いられた時には、少年裁判所および捜査機関は、拘禁期間を出来るだけ短くするためにこのような事件を最も迅速に処理することに高度の優先順位を与えなければならない。未決の被拘禁者は有罪宣告を受けた少年と区別されなければならない。
  20. 未決の少年が拘禁される条件は以下に定める規則に従うものでなければならないが、未決の少年の無罪推定の要請、拘禁の期間ならびに法的地位と状況に照らして、特別の条項を追加することが必要であり、かつ適切である。それらの条項には次のものが含まれるが、しかし必ずしもこれらに限られる訳ではない。
    • 少年は弁護人の援助を受ける権利を持ち、法律扶助制度のあるところで は、無償の法律扶助を申請することができ、かつ、法的助言者と定期的に連絡をとることができなければならない。この連絡においては通信の秘密が確保されなければならない。
    • 少年に対しては、可能な場合には、報酬を伴う作業を行い、教育や訓練を続ける機会が与えられなければならない。しかし、これらは義務とされてはならない。作業、教育あるいは訓練は、拘禁を継続する理由とされてはならなない。
    • 少年は、司法運営の利益に反しないかぎり、彼らの余暇とレクリエーションのための道具を支給され、これを保持できるものされなければならない。
  21. 4. 少年施設の運営

    A 記録

  22. 法的な記録、医学的な記録および懲戒手続の記録を含む全ての報告、ならびに処遇の形式、内容および詳細に関するその他全ての記録は、非公開の個人別ファイルに保存され、最新の情報を含み、権限のある者のみがこれにアクセスでできるものとされ、かつ、容易にその内容が理解されるように分類されなければならない。可能な場合には、いずれの少年に対しても、不正確な、根拠のないあるいは不公正な報告の訂正を可能にするために、少年のファイルに含まれるいかなる事実や意見をも争う権利が与えられなければならない。この権利を行使するために、適切な第三者が申請に応じてファイルにアクセスしてこれを参照することができる手続が存在しなければならない。少年が釈放される際には、当該少年の記録は封印され、かつ、適当な時期に廃棄されなければならない。
  23. いかなる少年も、司法、行政その他の公的機関による有効な送致命令によらなければ、いかなる拘禁施設にも送致されてはならない。この送致命令の詳細は直ちに記録に搭載されなければならない。いかなる少年も、このような記録の存しないいかなる施設にも拘禁されてはならない。
  24. B 入所、登録、移動および移送

  25. 少年が拘禁されるいずれの場所においても、受け入れたそれぞれの少年についての以下の情報に関する完全かつ信頼できる記録が保管されていなければならない。
    • 少年の身元に関する情報
    • 送致の事実および理由ならびに送致を決定した機関
    • 入所、移送および釈放の日時
    • 送致の際に少年を保護していた親および保護者に対してなされた、少年 についての全ての入所、移送あるいは釈放の通知の詳細
    • 薬物およびアルコール濫用を含む、身体的および精神的健康上の問題の詳細
  26. 入所、配置、移送および釈放に関する前記の情報は、遅滞なく少年の親および保護者または最も身近な親族に伝えられなければならない。
  27. 少年を受理した後できるだけ速やかに、各少年の身上および境遇に関する十分な報告書およびこれらに関連する情報が作成されかつ運営当局に提出されなければならない。
  28. 入所に際しては、全ての少年に対して、当該拘禁施設に適用される規則集および少年が理解しうる言葉で記載された少年の権利義務の説明書が与えられなければならず、それとともに、不服申し立てを受理する資格を有する官憲の住所ならびに法的援助を受けられる公的あるいは私的な機関および組織の住所を知らされなければならない。読み書きのできない少年あるいは文書を理解できない少年のために、情報は少年が十分理解できるような方法で与えられなければならない。
  29. 全ての少年は、施設の内部機構に関する規則、与えられるケアの目的と方法、 懲戒の基準とその手続、情報の入手および不服申し立てのための他の許された方法、その他拘禁中の権利義務を少年に十分理解させるのに必要な事項についての理解を助けられなければならない。
  30. 少年の輸送は、当局の費用で、十分な換気と照明のある輸送手段によって行われなければならず、少年に苦痛や屈辱を与えるような方法であってはならない。少年は、施設から施設へ恣意的に移送されてはならない。
  31. C 分類および配置

  32. 入所後できるだけ速やかに、少年は面接を受け、かつ、その少年に必要なケアとプログラムの種類および程度に関連するいかなる事項をも明らかにした心理的および社会的報告書が準備されなければならない。この報告書は、入所時に少年を診察した医官(medical officer) の報告書とともに、その施設のなかで少年にもっとも相応しい配置を決定し、かつ、実施されるべきケアとプログラムの種類および程度を決定するために、所長あてに提出されなければならない。社会復帰のための特別の処遇が必要であり、かつ、収容期間が十分にあるときは、訓練を受けた施設の職員は、処遇目的と時間枠(time-frame)、ならびにその処遇目的達成のための手段、過程および猶予期間を定めた、文書による個別的な処遇計画を準備しなければならない。
  33. 少年の拘禁は、少年の個別的なニーズ、地位ならびにその年齢、個性、性別および犯罪の種類に応じた特別の要求、さらに精神的および肉体的健康を十分に考慮に入れた条件のもとでのみ行われ、かつ、有害な影響ならびに危険な状況から少年を確実に保護するものでなければならない。自由を奪われた少年をカテゴリー別に分離するための主要な基準は、それぞれの少年の個別的なニーズに最も相応しい種類のケアの提供、ならびに少年の身体的、精神的および道徳的尊厳と少年の福祉の保護におかれなければならない。
  34. 少年は、家族の一員である場合を除いて、大人から分離されなければならな い。当該少年にとって有益であることが明らかにされた特別のプログラムの一環として、統制された条件のもとにおいて、少年を慎重に選別された大人と一緒にすることができる。
  35. 少年のための開放拘禁施設(open detention facilities) が設けられなければならない。開放拘禁施設とは、警備手段が全くないか最小限度の拘禁施設である。このような拘禁施設に収容される人員はできるだけ小人数のものでなければならない。閉鎖施設に拘禁される少年の人員は、個別処遇が可能な程度に小人数でなければならない。少年の拘禁施設は、少年とその家族のアクセスおよび接触が容易なように各地に分散し、かつ、適切な規模のものでなければならない。小規模の拘禁施設が設けられ、かつ、地域の社会的、経済的および文化的環境に統合されなければならない。
  36. D 物的環境および収容設備

  37. 自由を奪われた少年は、健康と人間の尊厳の要求を全て満たす施設とサーヴィスの提供を受ける権利を有する。
  38. 少年の拘禁施設の設計およびその物的環境は、居住処遇(residential treatment) による社会復帰の目的に見合うものであり、少年のプライヴァシー、感覚刺激(sensory stimuli) 、同輩との交際の機会ならびにスポーツ、運動および余暇活動への参加に関する少年の要求に対して適切な配慮をしたものでなければならない。少年拘禁施設の設計と構造は、火災の危険を最小限にするものであり、敷地内から安全に避難できるようなものでなければならない。火災の場合の効果的な警報システムが存在し、それとともに、少年の安全を確保するための手続きを様式化しかつその訓練をおこなわなければならない。拘禁施設は健康等への障害や危険があると思われる区域に設けられてはならない。
  39. 就寝施設は、地域の標準を考慮しながらも、少人数の雑居部屋あるいは個室が標準とされなければならない。就寝時間中には、個室および雑居部屋を含む全ての就寝区域について、定期的な、威圧的でない監視がおこなわれ、各少年の保護が図られなければならない。すべての少年は、地域のあるいは国内の標準にしたがって、それぞれ個別に十分な寝具を与えられ、与えられた寝具は清潔であり、適切に保管され、かつ、清潔を保つのに十分な頻度で交換されなければならない。
  40. 衛生設備は、全ての少年がプライヴァシーを保ち清潔で穏当な方法によってその身体的な必要に応じられるような位置に設けられ、かつ、そのような水準を十分満たすものでなければならない。
  41. 私物の所持は、プライヴァシーの権利の基本的要素であり、少年の心理的健康にとって必須のものである。全ての少年の私物を所持する権利および私物のための十分な保管施設をもつ権利は、十分に認識されかつ尊重されなければならない。少年が自己の身辺に置くことを選ばない、あるいは没収された私物は、安全な場所に保管されなければならない。その目録には少年の署名がなされなければならない。保管された私物を良好な状態に保つための手段が講じられなければならない。それらの物件や金銭は、少年が金銭を使いあるいは施設外に物件を送ることを許された場合をのぞいて、釈放の際に少年に返還されなければならない。少年が医薬品を受け取りあるいは所持していることが分かったときは、医官はそれをどのように使用するかを決定しなければならない。
  42. 少年に対しては、可能なかぎり私服を着る権利が与えられなければならない。 拘禁施設は、各少年が気候に適しかつ健康を保つのに十分な個人用の服を着用できるようにしなければならず、かつ、その服はいかなる意味でも品位を汚しあるいは屈辱的なものであってはならない。いかなる目的であれ施設から移動しあるいは外出する少年に対しては、私服の着用が許されなければならない。
  43. あらゆる拘禁施設は、正常な食事時間に適切に準備および提供され、かつ、栄養、衛生および健康の水準を満たし、可能なかぎり宗教的および文化的要求をも満たす質と量の食料を、あらゆる少年が受けられることを保障しなければならない。すべての少年がいつでも清潔な飲料水を飲用できなければならない。
  44. E 教育、職業訓練および作業

  45. 義務教育年齢にある全ての少年は、その必要と能力に適合し、かつ、社会復帰の準備を目指した教育を受ける権利を有する。このような教育は、可能な場合にはいつも、地域における拘禁施設外の学校で行われ、いずれの場合も、釈放後も引き続き少年が困難なく教育を受けられるように、資格のある教師により、国の教育制度と一貫性のあるプログラムを通じて行われなければならない。国外出身者または特殊な文化的あるいは民俗的ニーズを有する少年に対して、拘禁施設当当局は特別の注意を払わなければならない。文盲または知能あるいは学習能力に問題のある少年は、特別教育を受ける権利を認められなければならない。
  46. 義務教育年齢を過ぎているが、引き続き教育を受けることを希望する少年にはそれが許され、かつ奨励されなければならず、彼らが適切な教育プログラムにアクセスできるようにあらゆる努力がなされなければならない。
  47. 拘禁施設中の少年に授与される卒業証書や履修証明書は、いかなる意味でも、少年が施設収容されたことを示唆するものであってはならない。
  48. 全ての拘禁施設において、教育的および娯楽的な書物ならびに少年に適した期刊行物を十分に備えた図書館が設置され、少年がそれを十分利用することが奨励され、また可能でなければならない。
  49. 全ての少年に対して、将来の就職の準備として役立つような職種について、職業訓練を受ける権利が与えられなければならない。
  50. 適切な職業選択および施設運営上の要請に対する適正な配慮をしたうえで、少 年は自ら行なうことを希望する作業の種類を選択することができなければならない。
  51. 子供の労働および若年労働者に適用されるすべての国内的および国際的保護基準は、自由を奪われた少年に対しても適用されなければならない。
  52. 少年が社会に復帰する際に適切な就職先を見つけられる可能性を高めるために職業訓練を補完するものとして、可能な場合には必ず少年に対して報酬をともなう労働をする機会が与えられなければならず、できるならば地域社会のなかでそのような労働をする機会が与えられなければならない。作業は、釈放後の少年に役立つ適切な訓練を与えるものでなければならない。拘禁施設における作業の構成と方法 は、通常の職場環境に少年が適応するのに資するように、できる限り地域社会内のそれに類似したものでなければならない。
  53. 作業に従事する全ての少年には、公正な報酬を受ける権利が認められなければならない。少年およびその職業訓練の利益は、拘禁施設あるいは第三者の利益を得る目的より下位に位置付けられてはならない。少年の収入の一部は、釈放の際に少年に手渡されるべき貯金として、定期的に蓄えられなければならない。少年は、この収入の残余を用いて、自ら使用する物品を購入し、自己の犯罪により被害を被った被害者に弁償し、あるいは拘禁施設の外にいる家族その他の者に送金する権利を認められなければならない。
  54. F レクリエーション

  55. 全ての少年は、毎日適度な時間の自由運動(daily free exercise) を行う権利を認められなければならず、それは天候が許す場合は必ず戸外でなされ、その間適切なレクリエーションおよび身体訓練が規則的に実施されなければならない。これらの諸活動のために十分な空間、設備および用具が供給されなければならない。 全ての少年に対して、毎日の余暇活動(daily leisure activities) のために特別の時間が与えられ、少年が望むときには、その時間の一部を芸術および工芸技能の開発に用いなければならない。拘禁施設は、利用可能な体育教育プログラムに各少年が参加することが健康上可能であることを確保しなければならない。身体矯正に関する教育および治療を受ける機会が、それを必要とする少年には与えられなければならない。
  56. G 宗教

  57. 全ての少年は、その宗教的および霊的生活の必要を満たすこと、とりわけ、拘禁施設内で催される行事や集会に参加し、または、少年自身が行事を執り行うこと、および、少年の属する宗派の戒律や指導に関して必要な書物や物品を所持することによって、その必要を満たすことを許されなければならない。特定の宗教に属する少年が拘禁施設内に相当数いる場合は、その宗教の資格ある代表者が1名以上指名あるいは承認され、定期的に宗教行事を行うことを許され、ならびに少年の求めに応じて立会なしに少年への宗教上の訪問(pastral visit) を行うことが許されなければならない。全ての少年は、いかなるものであれその選択した宗教の資格ある代表者の訪問を受ける権利を認められ、それと同時に、宗教行事に参加せず、宗教上の教育、カウンセリングあるいは教化を拒む権利を認められなければならない。
  58. H 医療上のケア

  59. 全ての少年は、歯科、眼科および精神衛生上のケアを含む、予防的および治療的な十分な医療上のケアを受け、ならびに、医学的な処方に基づく医薬品および特別食を供給されなければならない。全てのこのような医療上のケアは、少年に烙印を押すことを避け、その自尊心と地域社会への統合を促進するために、可能な場合には、その拘禁施設が存在する地域における適当な保健施設およびサーヴィスを通じて少年に供給されなければならない。
  60. 入所前の不当な取扱いの証拠を記録し、医療上の手当てを要する肉体的あるい は精神的状態を確認するために、全ての少年は拘禁施設に入所した後直ちに医師による診察を受ける権利を有する。
  61. 少年に提供される医療上のサーヴィスは、あらゆる肉体的あるいは精神的疾病、薬物濫用その他少年の社会への統合を阻害する原因となりうる状態を発見し、治療するものでなければならない。全ての少年拘禁施設は、その入所者の数と要求に見合う十分な医療施設および設備への迅速なアクセスを有し、ならびに、予防保健上のケアおよび救急医療の取扱いについて訓練を受けたスタッフを擁するものでなければならない。病気にかかっている少年、病気を訴える少年、または、肉体的あるいは精神的困難の兆候を示す少年は、直ちに医官による診察を受けなければならない。
  62. 少年の肉体的あるいは精神的な健康状態が拘禁の継続、ハンガーストライキ、 その他の拘禁の状況によって有害な影響を受け、あるいは受ける恐れがあると信ずる理由のある医官は、直ちにその事実を問題の拘禁施設の長ならびに少年の福祉の確保に責任を負う独立の官憲に対して報告しなければならない。
  63. 精神的疾患のある少年は、独立の医学的管理のもとで特別の施設において取り扱われなければならない。適当な機関との提携によって、釈放後においても必要な精神衛生上のケアを確実に継続するための方策が採られなければならない。
  64. 少年拘禁施設は、資格を有する職員によって運営される、薬物濫用の予防およびリハビリテーションのための専門的なプログラムを採用しなければならない。このプログラムは、対象となる少年の年齢、性別その他の要請に適合するものでなければならない。薬物やアルコール依存のある少年に対しては、訓練された職員を擁する中毒性解消(detoxification)の施設とサーヴィスを利用する機会が与えられなければならない。
  65. 医薬品の投与は、医療上の理由による必要な治療のためにのみなされ、かつ、 可能な場合には、対象となる少年に説明を尽くしたうえでその承諾(informed consent) を得た後に行われなければならない。とりわけ、情報や自白を得る目的で、 処罰として、あるいは、抑制の手段として薬物を投与してはならない。少年は、いかなる場合にも、薬物の使用や治療方法の実験の被験者とされてはならない。いかなる薬物投与も、常に、資格を有する医療職員によって許可を受け、これらの医療職員によって実施されなければならない。
  66. I 病気、傷害および死亡の告知

  67. 少年の家族や保護者ならびに少年が指定したその他の者は、その申し出があるとき 、および、少年の健康状態にいかなるものであれ重要な変化があったときは、少年の健康状態について知らされる権利を有する。拘禁施設の長は、少年が死亡したとき、外部の医療施設に移送することを要する病気にかかったとき、あるいは、拘禁施設内において48時間を超える臨床的ケアを要する状態のときは、その少年の家族や保護者あるいはその他の指定された者に直ちに連絡しなければならない。少年が外国人であるときは、この連絡はその少年の属する国の領事館当局者に対してもなされなければならない。
  68. 自由をはく奪されている間に少年が死亡したときは、最も近い親族に対して、 死亡証明書を点検し、遺体を観察し、かつ、遺体処置の方法を決定する権利が与えられなければならない。拘禁中に少年が死亡したときは、死亡の原因について独立の機関による調査がなされ、その調査報告書は最も近い親族によってアクセスできるものでなければならない。この調査は、少年が拘禁施設から釈放されて6ヶ月以内に死亡し、その死が拘禁期間に関連していると信ずる理由があるときにも行われなければならない。
  69. 少年は、直近の親族の死亡、重病あるいは傷害について、できるだけ速やかに知らされ、故人の葬儀に参加し、危篤状態の親族の枕元に付き添う機会を与えられなければならない。
  70. J 広範な地域社会との接触

  71. 少年が外部の世界と十分なコミュニケーションを保つことができるようにあらゆる手段が講じられなければならない。それは、公正で人道的な処遇を受ける権利の不可欠の部分であり、また、少年が社会への復帰を準備するうえに必須のものである。少年は、家族、友人その他の者、あるいは、定評のある組織の代表者とコミュニケートすること、自宅および家族を訪問するために拘禁施設を離れること、ならびに、教育上、職業上その他の重大な理由によって拘禁施設を離れる特別許可を受けること、を許されなければならない。少年が刑期に服しているときは、拘禁施設の外で過ごした時間も刑期の一部として計算されなければならない。
  72. 全ての少年は、プライヴァシーへの要求を尊重するような態様で、定期的にかつ頻繁に、原則として週1回、少なくとも月1回、家族および弁護人の訪問を受ける権利を有し、かつ、これらの者との接触および無制限のコミュニケーションを保つ権利を認められなければならない。
  73. 全ての少年は、適法に制限されない限り、その選択した人物と書面あるいは電 話で少なくとも週2回コミュニケートする権利を有し、この権利を効果的に行使するために必要な援助を受けられなければならない。全ての少年は、信書を受け取る権利を認められなければならない。
  74. 少年は、新聞、定期刊行物その他の出版物を読み、ラジオやテレビの番組および映画にアクセスし、いかなるものであれ少年が興味をもつ合法的なクラブや組織の代表者の訪問を受け、これらによって最近の出来事を定期的に知る機会を与えられなければならない。
  75. K 身体の制圧および強制力の使用の限界

  76. 規則64に定める場合を除いて、制圧器具の利用および強制力の使用は、いかなる目的であっても禁止されなければならない。
  77. 制圧器具および強制力は、他の全ての規制手段を使用したが失敗に終わったという例外的な場合で、法と規則によって明確に許容されかつ特定されている場合においてのみ使用することができる。それは、辱めを与えあるいは品位を汚すようなものであってはならず、限定的に、かつ、できる限り短い時間に限られなければならない。制圧器具は、施設当局の長の命令によって、少年が自らを傷つけ、他の者を害し、あるいは、財物に深刻な損害を及ぼすのを防止するために使用することができる。この場合、その施設の長は、直ちに、医官その他の適切な職員に助言を求とめ、上位の当局者に報告しなければならない。
  78. 少年が拘禁されているいかなる施設においても、職員による武器の携帯ならびにその使用は禁止されなければならない。
  79. L 懲戒手続

  80. いかなる懲戒手段および懲戒手続も、安全と秩序ある社会生活の利益を保持するものであり、少年固有の尊厳の尊重ならびに施設におけるケアの基本的な目的、すなわち、正義の観念、自尊心および全ての人の基本的権利の尊重を涵養することと適合するものでなければならない。
  81. 体罰、暗室(dark cell) 密室または独房への収容、その他対象となった少年の身体的または精神的健康に害を及ぼすおそれのある処罰をはじめとする、残虐な非人道的なまたは品位を汚す取り扱いに相当する全ての懲戒手段は厳しく禁止されなければならない。食事の削減および家族との接触の制限または拒否は、いかなる目的であっても禁止されなければならない。労働は、常に、教育手段および社会復帰を目指した少年の自尊心を助長する手段とみなされなければならず、懲戒上の制裁として課されてはならない。いかなる少年も、同一の規律違反のために重ねて制裁を科されてはならない。集団的制裁(collective sanctions)は禁止されなければならない。
  82. 運営当局者が採用する法律または規則は、少年の基本的な特性、ニーズおよび権利を十分考慮したうえ、以下の事項に関する規範を確立するものでなければならない。
    • 規律違反に該当する行為
    • 科されるかも知れない懲戒上の制裁の種類と期間
    • 制裁を科す資格のある当局者
    • 不服申し立てを審査する資格のある当局者
  83. 違反行為の報告は、資格ある当局者のもとに迅速に提出され、その当局者は不必要に遅滞することなく決定を下さなければならない。資格ある当局者は、その事件について徹底的な調査を実施しなければならない。
  84. いかなる少年も、有効な法および規則の条項に厳格に従うものでないかぎり、 懲戒上の制裁を科されてはならない。いかなる少年も、違反行為とされる事実を自ら十分理解できるような方法で告げられ、資格ある公平な機関への不服申立ての権利を含む、防御を提出する適当な機会が与えられない限り、制裁を科されてはならない。全ての懲戒手続についての完全な記録が保管されなければならない。
  85. いかなる少年も、特定の社会、教育またはスポーツ活動の監督に関する場合、 あるいは、自律的プログラムに関する場合を除いて、規律を維持する責任を負わせられてはならない。
  86. M 調査ならびに不服申し立て

  87. 資格のある調査員または適切に組織され施設当局には所属しない機関に対して、定期的な調査を実施し、ならびに、自らの判断で事前告知なしに調査を行う権限が与えられ、この任務の遂行にあたってはその独立が完全に保障されなければならない。調査員は、少年の自由を拘束しまたは拘束する可能性のある施設に雇用されまたはそこで働く全ての者、全ての少年、ならびに、このような施設の全ての記録に対して無制限のアクセスを認められなければならない。
  88. 調査機関に所属する資格ある医官あるいは公衆保健機関は、調査に参加し、物的環境、衛生、宿泊設備、食料、運動および医療サーヴィスに関する規則の遵守情況を審査し、さらに、少年の身体的および精神的健康に影響を及ぼす収容生活上のその他の側面および条件を審査しなければならない。全ての少年は、いかなる調査担当者とも立会なしに話をする権利を認められなければならない。
  89. 調査終了後、調査員はその認定結果についての報告書を提出しなければならない。報告書には、拘禁施設による本規則および国内法上の関連条項の遵守情況についての評価、ならびに、それらを遵守するために必要と思われる方策に関する勧告を記載しなければならない。調査員が認知した事実で、少年の権利あるいは少年拘禁施設の運営に関する法規違反を示すものについてはいかなるものでも、捜査官憲または訴追機関に通知されなければならない。
  90. 全ての少年は、拘禁施設の長および認可された代表に対して、要望を提出しまたは不服申し立てをする権利を認められなければならない。
  91. 全ての少年は、その内容について検閲を受けることなく、相当な通信手段によって、中央監督機関、司法官憲あるいはその他の適当な機関に対して、要望を提出しまたは不服申し立てをする権利、ならびに、遅滞なくその応答を知らされる権利を与えられなければならない。
  92. 自由を奪われた少年の不服申し立てを受理して調査を行い、公正な解決を達成 するための援助を行う独立の事務所(オンブズマン)を設立するために努力がなされなければならない。
  93. 全ての少年は、不服申し立てを行うにあたって、家族、弁護士、人道主義的グループまたは可能ならばその他の人々の援助を要請する権利を認められなければならない。読み書きのできない少年に対しては、必要な場合は、弁護士を提供しあるいは不服申し立てを受理する資格のある公的または私的な機関および組織のサーヴィスを利用することについて、援助が与えられなければならない。
  94. N 地域社会への復帰

  95. 全ての少年に対して、釈放後の社会復帰、家族生活、教育または雇用について、彼らを援助するための配慮がなされなければならない。この目的のために、早期釈放を含む手続ならびに特別の課程が用意されなければならない。
  96. 資格のある機関は、少年が社会内で自らを再建する際に彼らを援助するため、 ならびに、このような少年に対する偏見を軽減するために、サーヴィスを提供しあるいはそれを確保しなければならない。このサーヴィスは、少年に対して適切な住居、雇用、衣類および社会への再統合を成功させるために釈放後自活するのに十分な手段を提供することを、できる限り保障しなければならない。このサーヴィスを提供する機関の代表は、地域社会への復帰に際して少年を援助することを念頭において、まだ拘禁されている少年の相談を受け付け、かつ、彼らへのアクセスを認められなければならない。
  97. 5. 職員

  98. 職員は、資格を有する者でなければならず、教員、職業指導員、カウンセラー、ソーシャル ワーカー、精神科医および心理療法士など、十分な数の専門家を含むものでなければならない。これらおよびその他の専門家スタッフは、常勤の職員として正常に雇用されなければならない。ただし、パートタイムの職員やボランティアを、その補助ならびに訓練の程度が適切で有益である場合に、利用することを妨げるものではない。拘禁施設は、拘禁された少年の個別的な必要と問題に応じて、矯正、教育、道徳、宗教、その他、地域社会における適切で利用可能な援助の資源および形態を全て利用しなければならない。
  99. 拘禁施設の適切な管理運営は、職員の尊厳、人間性、能力、および少年を取り扱う専門家としての技量、さらには、この仕事への個人的適性にかかっているのであるから、施設当局は、あらゆる段階と種類の職員について慎重に人選し雇い入れなければならない。
  100. 前記の目的を達成するため、職員は専門職として指名され、その職に相応しい男女を惹き付けかつ雇い入れるのに十分な報酬を支払われなければならならない。少年拘禁施設の職員は、その職責を人道的、献身的、専門的、公正かつ有効な仕方で全うすること、常に少年の尊敬を獲得するような仕方で行動すること、ならびに、少年に対して肯定的な役割モデルおよび展望を与えることを絶えず奨励されなければならない。
  101. 施設当局は、少年のケアに従事する様々なサーヴィス間の協力、ならびに、少年と直接接触する職員がその職責を効果的に果たすことができる環境のもとで働けるようにするためのスタッフと施設当局の間の協力を促進するために、各拘禁施設における異なる職種のスタッフの間のコミュニケーションを促進すべく、施設の機構と管理運営の形態を紹介しなければならない。
  102. 職員は、その任務を効果的に遂行することができるように、訓練を受けなければならず、この訓練には、特に、児童心理、児童福祉、および、本規則を含む人権と子供の権利に関する国際的な基準および準則に関する訓練が含まれなければならない。職員は、その雇用期間を通じて適度の間隔をおいて実施される職務研修 (in-service training) の課程に参加することによって、その知識および専門家としての技量を保持し向上することに努めなければならない。
  103. 施設の長は、運営能力を有すること、相応しい訓練と経験を経ていることによって、十分その資格が認められる者でなければならず、その職務をフルタイムで遂行しなければならない。
  104. 拘禁施設の職員は、その職務を行うにあたって、全ての少年の人としての尊厳ならびに基本的人権を尊重し、保護しなければならない。とりわけ、

    • 拘禁施設に属するいかなる人員あるいは収容施設のいかなる職員も、いかなる口実や状況においても、いかなる方法による拷問、いかなる形態による過酷な、残酷な、非人道的なあるいは品位を汚す取り扱い、処罰、矯正あるいは懲戒を、これを行い、扇動し、黙認してはならない。
    • 全ての職員は、いかなる汚職行為に対しても、激しく抵抗し、対決しなければならず、その事実を遅滞なく資格ある機関に報告しなければならない。
    • 全ての職員は、この規則を尊重しなければならない。この規則に対する深刻な違反が既に発生しあるい発生しつつあると信ずべき理由のある職員は、審査あるいは改善の権限を有する上位の当局者あるいは機関に対して、その事実を報告しなければならない。
    • 全ての職員は、肉体的、性的および情緒的な虐待および搾取からの保護を含む、少年の身体的および精神的健康に対する十分な保護を確保しなければならず、必要な場合にはいつでも医療上の手当てを確保するために迅速な行動を採らなければならない。
    • 全ての職員は、少年のプライヴァシーの権利を尊重しなければならず、 とりわけ、職務上知り得た少年あるいはその家族の全ての秘密を守らなければならない。
    • 全ての職員は、少年の人間としての尊厳に対する正当な尊重の念を減少させる恐れのある、拘禁施設の内外での生活上の相違を、できるだけ小さくするように努力しなければならない。

(訳者 高野隆)

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