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刑事司法改革の指針となる、内外の判例、国連関係文書等 バーバー対ページ(1968年)-- 連邦最高裁:政府が証人を出廷させるために善意の努力をせず彼が法域外にいるというだけでその法廷外供述を採用することは憲法第6修正の対決権条項に違反するBarber v. Page390 U.S. 719 (1968) 要旨:政府は証人の出廷確保のために善意の努力をしなければならず、証人が法域の外にいるというだけでは「利用不能」とは言えず、その従前証言を採用することは憲法が保障する対決権・反対尋問権を侵害する。 マーシャル裁判官が当裁判所の意見[全員一致]を告げた。 *** 申立人とウッズは強盗の罪で訴追され、予備審問手続では同じ弁護人パークス氏の弁護を受けていた。予備審問が行われている間に、ウッズは自己負罪拒否特権を放棄することに同意した。するとパークスはウッズの弁護人を辞任したが、申立人の弁護を続けた。その後ウッズは[予備審問で]申立人に罪を負わせる証言をした。他の共同被告人の弁護士はウッズの反対尋問を行ったが、パークスはやらなかった。 およそ7ヵ月後に申立人の公判が始まったとき、ウッズは、オクラホマの公判裁判所から約225マイル離れたテキサス州テキサカーナにある連邦刑務所に収監されていた。州政府は、ウッズは法域外にいるので証言不能であるという理由で、彼の予備審問での証言の速記録を申立人に対する証拠として申請した。申立人は、それは不利益な証人と対決する彼の権利を侵害するとして異議を申し立てた。異議は棄却され速記録は採用されて、陪審に向けて朗読された。陪審は有罪の評決をした。上訴されたがオクラホマ州刑事上訴裁判所は有罪を承認した。 次に申立人は、ウッズの証言速記録を申立人の公判で使用することは、連邦憲法第6及び第14修正に違反するものであり、彼の連邦憲法上の対決権を侵害するとして、連邦人身保護の申立てをした。彼の主張は地方裁判所で否定され、第10巡回区控訴裁判所も、1人の裁判官が反対意見を表明したものの、上訴を退けた。われわれは上告受理を認め、申立人の対決権侵害の主張を検討した。そして、われわれは原判決を取消す。 何年も前に当裁判所はこう述べた。「[第6修正の対決権条項]の第一の目的は、……法廷外証言録取書や一方的な宣誓供述書が法廷での尋問や反対尋問に取って代わることで、証人の記憶をテストしその良心を篩いにかける機会や、さらには、陪審と対面させることで彼らが証人を見て証言台での彼の態度やその証言の有り様に基づいて彼が信ずるにたる人物かどうかを判断できるようにする機会を被告人から奪ってしまうことのないようにすることである」と。Mattox v. United States, 156 U.S. 237, 242-243 (1895).また最近において、当裁判所は、第6修正の対決権は第14修正を通じて州にも適用されると判示したが、その際にこう述べた。「多分、対決と反対尋問の権利がこの国の憲法上の目標である公正な裁判にとって必須かつ基本的な要件であるとの信念を表明すること以上に、当裁判所やその他の裁判所の意見が一致する課題は殆どないだろう」と。Pointer v. Texas, 380 U.S. 400, 405 (1965). See also Douglas v. Alabama, 380 U.S. 415 (1965). 確かに、証人が利用不能でありかつ彼が同じ被告人に対する以前の司法手続で証言しその被告人による反対尋問の対象となった場合に、対決の要請に対する例外が伝統的に認められている。例えば前掲のマトックス対合衆国がそうである(最初の公判で証言した証人が2度目の公判の前に死亡した)。この例外は、やむを得ない必要性に基づくものであると説明され、そして、当初可能であった反対尋問権によって対決の要請の背後にある目的は実質的に満たされるとして正当化されてきた。See 5 Wigmore, Evidence §§1395-1396, 1402 (3d ed. 1940); C. McCormick, Evidence §§231, 234 (1954). はじめに、州はウッズがオクラホマ州外の刑務所にいると言うだけで、彼の公判廷への出頭を確保するための努力を全く行った形跡がないことをわれわれは指摘したい。これまでのところ多くの裁判所と解説者たちが、「公判裁判所の召喚状はその法域外では強制力がないから彼を強制的に出頭させることはできない。したがって証言を求める当事者は諦めるしかない」という理屈で、証人が法域内に存在していないというだけで対決権を奪うに十分な根拠となると論じてきた。5 Wigmore, Evidence §1404 (3d ed. 1940). 過去においてその理論がいかに正確なものであったとしても、州と州の間あるいは州と連邦政府との間における協力の増進によって、今日その理論は刑事法の分野においては有効性をほとんど失いつつあることが明らかである。例えば、連邦政府に身柄を拘束されている証人予定者の場合、連邦法典28編2241(c)(5)項によって、連邦裁判所は州の訴追権者の申立てにより証言のための人身保護令状(writ of habeas corpus ad testificandum)を発行することができる。加えて、州裁判所が発行した証言のための人身保護令状にしたがって連邦刑務所に服役中の囚人が州の刑事裁判で証言することを許すというのが合衆国矯正局の方針である。 本件において州当局はウッズが申立人の公判に出頭できるようにするために上述のような措置を利用する努力を全くしなかった。控訴裁判所の多数意見は、州は連邦当局の裁量を求めなければならず、州にはそのような要請をする義務はないという理由付けをしているようである。しかし、指名裁判官オルドリッジがその反対意見の中で指摘しているように、「拒否される可能性は、実際に要請して拒絶されることと同じではない。」要するに、対決に対する例外の適否を判断するという目的において、訴追当局が証人の公判への出頭確保のために善意の努力(good-faith effort)をしたのでない限りは、その証人は「利用不能」とは言えないのである。本件では州は記録が示す限りこのような努力をしていない。ウッズが証言のために出頭しなかった唯一の理由は、州が彼の出頭を求めなかったからである。対決権はそれほど軽く処理されてはならないだろう。 州は、予備審問で反対尋問しなかったことで申立人はウッズと対決する権利を放棄したのだと主張する。この主張は支持できない。申立人は彼の公判が開かれるときにウッズが連邦刑務所にいることなど予想していなかった。のみならず、たとえウッズの拘禁を予測しえたとしても、彼は州がウッズを公判に出廷させる努力を全くしないことを予想し得なかったのである。このような情況の下で反対尋問をしなかったことが後の公判での反対尋問権の放棄にあたると言うのは、当裁判所の放棄の定義――「知りえた権利または特権を意図的に断念しあるいは捨て去ること」Johnson v. Zerbst, 304 U.S. 458, 464 (1938); Brookhart v. Janis, 384 U.S. 1, 4 (1966)――と決して適合しない。 更にいえば、仮に申立人の弁護人が予備審問でウッズを実際に反対尋問していたと仮定しても、本件においては同じ結論に達していたであろう。対決権は基本的に公判での権利である。それは、反対尋問の機会とともに陪審が証人の態度を観察する機会をも含むのである。予備審問は公判と比べて事件の実体を探求することが通常の場合非常に少ないのであり、それはその機能が被告人を公判に付するに足りるだけの相当の嫌疑があるかどうかを決定するという制限されたものだからである。証人が実際に利用不能であることが示された場合に、予備審問で証人を反対尋問する機会をもったことが対決条項の要請を満足させると判示することが正当化されることがあるかもしれないが、既に指摘したように、本件はそのような事案ではない。 第10巡回区控訴裁判所の判決は取消され、事件は本意見に沿う更なる手続に付されるために差し戻される。 以上 ※このドキュメントはPDFファイルでもご覧になれます。 |HOME|ミランダの会とは|活動記録|記事・論文|エッセイ|書式集|資料集|刑事弁護Q&A|フォーラム| Copyright (c) 1999-2003 mirandanokai
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